介護職の面接では、これまでの経験や人柄と同じくらい「なぜ前の職場を辞めたのか」が重要視されます。
特に、退職理由の伝え方によって、面接官の印象が大きく変わることも。
ネガティブな理由であっても、前向きに伝える工夫をすることで好印象を与えることが可能です。
この記事では、介護職の面接で役立つ退職理由の伝え方を、実例を交えてわかりやすく解説します。
使える例文集や面接官の意図も解説するので、面接前の準備にぜひお役立てください。
介護職の面接対策の核心|退職理由をポジティブに伝える3つのコツ
ネガティブに聞こえやすい退職理由を、前向きに伝えるためのコツを3つ紹介します。
①前向きな転職理由に言い換える
退職理由がどんなものであっても、面接の場では「前向きな転職理由」として言い換えることが大切です。
たとえば「給料が低かった」という理由も「もっと責任ある仕事を任され、スキルを高めたいと考えた」といった表現に変えると印象が変わりますよね。
介護職は人間性が重視される仕事です。
文句や不満をそのまま伝えるのではなく、
「自分が成長したい」
「より良い環境で力を発揮したい」
など、前向きな目的意識を伝えると好印象を持たれやすくなります。

ウソにはならないように!ポジティブな面にスポットを当てよう
②人間関係や職場環境の不満は言い方を工夫する
人間関係や職場環境の問題で辞める人も少なくありません。
ただし、直接的に「職場の人間関係が悪かった」と伝えると、悪口や愚痴と受け取られるリスクがあります。
その場合は「もっとチームワークを大切にできる環境で働きたいと考えた」など、ポジティブな価値観に置き換えることがポイント。
また、問題があったからこそ、自分が何を大切にしたいのかが明確になったという視点も大事です。
「協調性を重んじる職場で働きたい」
「丁寧なケアを重視する施設で経験を積みたい」
など、これからの働き方の希望として伝えると、面接官の納得感も高まります。



前向きに自分の価値観を伝えると、面接官との相性もわかりやすいね
③次の職場でどう活かしたいかを伝える
過去の退職理由だけでなく「これまでの経験を次の職場でどう活かしたいか」まで伝えることができれば、面接官の印象はさらに良くなります。
たとえば「前職では認知症ケアを中心に学んできました。その経験を活かして、貴施設でもご利用者様に寄り添った支援ができればと思っています」といった伝え方が有効です。
未来志向の発言は「この人は長く働いてくれそうだ」といった安心感を与えます。
これまでの経験の中で感じたことや学んだことを、自分の言葉で正直に伝えることが大切です。



自分の経験や価値観をその施設で活かせることのアピールもできるね
介護職の面接対策でそのまま使える退職理由の例文集
実際の面接で使える退職理由の例文をシーン別に紹介します。
スキルアップ・資格取得を目指す場合
「前職では初任者研修の資格を取得し、実務経験を積んできました。さらに専門性を高めたいと考え、介護福祉士の資格取得に向けた実践的な経験を積める環境を求めて転職を決意しました。」
「成長意欲がある」
「自発的に行動している」
ことをアピールできるので、好印象を与えやすい理由です。
施設によっては資格取得を支援してくれるところもあるので、自分の目標とマッチしていることを伝えましょう。
「働きながらスキルアップを目指したい」という姿勢は、長期的な勤務を期待できる人物像として映ります。
職場の方針と自分の考え方にズレがあった場合
「前職では介護のスピードや効率を重視する方針でしたが、私は一人ひとりの利用者様としっかり関わるケアを大切にしたいと考え、価値観に合った職場を探すことにしました。」
ネガティブな印象を与えず、自分のケア方針を大切にしていることを伝えられる例文です。
「ズレがあった」と伝えることで退職の理由を正当化しつつ、「理想の介護像を持っている」ことをアピールできます。
施設ごとに方針は異なるため、自分の希望とマッチしていることを具体的に伝えると、好印象につながります。
家庭の事情やライフスタイルの変化が理由の場合
「親の介護が必要になり、通勤時間を短縮したいと考えて退職を決意しました。現在は環境も整い、介護との両立が可能になったため、地元で長く働ける職場を探しています。」
家庭の事情は誰にでも起こりうることなので、正直に伝えても問題ありません。
大切なのは「今は安定して働ける状態である」ことをきちんと伝えることです。
「これから長く働きたい」という意志が伝われば、面接官も安心します。
人間関係のトラブルがあったが前向きに伝える例
「前職ではチーム内での連携に課題を感じましたが、その経験から、報告・連絡・相談の大切さや、積極的なコミュニケーションの必要性を学びました。今後は、その学びを活かして、より良いチームケアを実現したいと考えています。」
問題を経験しながらも、前向きに成長につなげた姿勢を示すことが重要です。
問題点だけでなく、学んだことや改善の意思を伝えると、責任感がある人物として評価されやすくなります。
過去の経験を次にどう活かすかをセットで伝えることがポイントです。
体調不良が理由だった場合の伝え方
「以前、体調を崩したため一度退職しましたが、現在は通院も完了し、医師からも就業可能との診断を受けております。体調管理には十分配慮しており、今後は安定した勤務が可能です。」
体調に関することは、現在の状況が安定していることを明確に伝えることが大切です。
正直に話すことは誠実さのアピールにもなりますが、ネガティブな印象を与えないためにも、前向きな表現を心がけましょう。
「職場に迷惑をかけないように工夫している」などの姿勢を添えると、より安心してもらえます。
介護職の面接で退職理由を聞かれる本当の理由とは?
面接官が退職理由を尋ねるのは、過去を責めるためではありません。
長く働いてくれるかを確認したいため
施設側は、人材を育成し長く働いてもらいたいと考えています。
そのため、「またすぐ辞めてしまわないか?」という不安を払拭することが重要です。
退職理由がやむを得ない事情であり、今後は安定して働ける見通しがあることを伝えましょう。
人間関係のトラブルにどう対応するかを知りたいため
介護の現場ではチームワークが重要です。
面接官は、人間関係に問題があったときに「どう対応するか」を見極めようとしています。
「〇〇が原因で辞めました」と言うだけでなく「その経験から〇〇を学びました」と前向きに伝えてみましょう。
人間関係に対する考え方や姿勢を伝えることで、職場にうまく馴染めるかどうかの判断材料になります。
職場への適応力を見極めたいため
施設のルールや方針に柔軟に対応できるかどうかも重要です。
面接官は、前職の辞め方からあなたの適応力を見ようとしています。
「職場の方針に納得できなかった」という理由でも、その後の行動や学びをきちんと伝えましょう。
適応力や柔軟性があると判断されます。
「自分なりに改善しようと努力した」
「新しい環境では前向きに取り組みたい」
といった姿勢を伝えたいですね。
まとめ|介護職の面接対策は退職理由の準備が合否を左右する
介護職の面接では、退職理由の伝え方が合否に大きく影響します。
ただ事実を話すだけでなく、前向きな表現に言い換えて自分の成長や目標に結びつけることが大切です。
面接官は、退職理由から
「長く働けそうか」
「人間関係を築けそうか」
「職場に合いそうか」
を見極めています。
だからこそ、自分の価値観や将来のビジョンを交えて伝えることが重要。
この記事で紹介した例文やコツを参考に、自分の状況に合った退職理由を準備し、自信を持って面接に臨んでくださいね。










コメント