介護の現場って、略語がとにかく多いんです。
「え、それどういう意味?」と戸惑った経験がある方も多いのではないでしょうか。
新人介護士さんや家族の介護に関わり始めた方なら、なおさらそう感じるはず。
この記事は、介護の現場でよく使う略語を一覧にしてまとめました。
知っておくと、会話や書類の内容がスムーズに理解できるようになりますよ。
よく使う介護用語の略語一覧【基本編】
介護の現場で最もよく出てくる基本的な略語をまとめました。

ADL(日常生活動作)
ADLは「Activities of Daily Living」の略。
日常生活を送るための基本的な動作のことです。
例えば、食事をする、着替える、トイレに行く、入浴する、歩くなどが含まれます。
要介護者の支援内容を考えるとき、このADLの状態がとても大事。
どこまで自分でできるのか、どこをサポートする必要があるのかを見極める指標になります。
IADL(手段的日常生活動作)
IADLは「Instrumental Activities of Daily Living」の略で、生活をより豊かにするための応用的な動作のこと。
買い物、電話の使用、薬の管理、家計の管理などが含まれます。
ADLに比べると難易度が少し高く、認知機能も関わってくるため、高齢者の生活自立度を測る大事な指標になります。
QOL(生活の質)
QOLは「Quality of Life」の略。
生活の質や満足度を意味します。
単に長生きするだけでなく、その人らしく充実した生活を送れるかを大事にする考え方です。
介護の現場では、QOLをどう高めるかを常に意識しています。
本人の希望や楽しみを大切にするケアが求められます。
PT(理学療法士)
PTは「Physical Therapist」の略で、運動機能の回復をサポートする専門職です。
歩行訓練、筋力トレーニング、関節の動きの改善などを行います。
介護施設や病院でリハビリを担当し、利用者さんの身体機能向上を支援します。
OT(作業療法士)
OTは「Occupational Therapist」の略。
日常生活動作や社会参加をサポートする専門職です。
手工芸や調理、買い物練習などを通じて、生活機能を高める役割。
身体面だけでなく、認知機能や精神面のリハビリにも関わります。
ST(言語聴覚士)
STは「Speech Therapist」の略で、言葉や飲み込みのリハビリを行う専門職のこと。
失語症や嚥下障害(飲み込みの障害)のリハビリを担当します。
高齢者にとって、食事や会話は生活の楽しみ。
STはQOL向上に大きな役割を果たしています!
VS(バイタルサイン)
VSは「Vital Signs」の略で、生命兆候のことです。
体温、脈拍、呼吸、血圧などが含まれます。
日々の体調管理に欠かせない項目で、介護現場では毎日のようにチェックされています。
よく使う介護用語の略語一覧【応用編】
基本を押さえたら、少し応用的な略語にも目を向けてみましょう。

ICF(国際生活機能分類)
ICFは「International Classification of Functioning, Disability and Health」の略。
生活機能や健康状態を分類・評価する国際基準です。
単に病気や障害だけを見るのではなく、「その人が何ができるか」に注目するのが特徴!
SOAP(主観・客観・評価・計画の記録法)
SOAPは、介護や医療現場の記録方法の一つです。
- Subjective(主観)
- Objective(客観)
- Assessment(評価)
- Plan(計画)
頭文字を取っています。
情報を整理して記録することで、ケアの質を高める目的が!
MSW(医療ソーシャルワーカー)
MSWは「Medical Social Worker」のこと。
病院で患者さんや家族の相談支援を行う専門職です。
介護保険の手続きや退院後の生活支援など、幅広く関わります。
ケアマネ(介護支援専門員)
ケアマネ(ケアマネージャー)は、介護サービスの計画を立てる専門職です。
正式名称は介護支援専門員。
本人や家族の相談に乗り、最適なサービスを選んでプランを作ります。
地域包括(地域包括支援センター)
地域包括は、高齢者を地域で支えるための総合相談窓口です。
保健師、社会福祉士、主任ケアマネなどが常駐しています。
介護予防や虐待防止、権利擁護など、幅広い支援をする場所です!
MDS(包括的ケア評価指標)
MDSは「Minimum Data Set」の略。
介護施設での包括的なケア計画を立てるための評価指標です。
利用者の状態を詳しく把握し、個別のケアプランに活かします。
ICT(感染対策チーム)
ICTは「Infection Control Team」のこと。
施設や病院で感染予防対策を行う専門チームです。
特に高齢者施設では感染症対策が重要なので、ICTは大きな役割があります!
BPSD(認知症の行動・心理症状)
BPSDは「Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia」の略。
認知症に伴う行動や心理面の問題を指します。
徘徊、暴言、妄想、不安などが含まれ、適切な対応が求められます。
DM(糖尿病)
DMは「Diabetes Mellitus」の略で、糖尿病のことです。
高齢者に多い慢性疾患の一つで、食事や運動、薬の管理が大切です。
CHF(うっ血性心不全)
CHFは「Congestive Heart Failure」の略。
心臓のポンプ機能が低下して起こる心不全です。
息切れやむくみが出るので、日常生活の中での観察が重要です。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)
COPDは「Chronic Obstructive Pulmonary Disease」のこと。
慢性的な呼吸器の病気です。
喫煙歴がある人に多く、息切れや咳が主な症状です。
CVA(脳卒中)
CVAは「Cerebrovascular Accident」の略で、脳卒中のこと。
脳梗塞や脳出血などが含まれます。
後遺症として、麻痺や言語障害が残ることがあります。
DNR(心肺蘇生拒否)
DNRは「Do Not Resuscitate」の略。
心停止や呼吸停止の際に心肺蘇生を行わない指示のことです。
本人や家族の意思を尊重し、尊厳ある最期を迎えるための選択です。
リハビリ・認知症関連の略語
ここでは、リハビリや認知症ケアの場面でよく使われる略語を紹介します。
ROM(関節可動域)
ROMは「Range of Motion」の略で、関節がどこまで動くかの範囲を指します。
関節の硬さや痛みを防ぐため、リハビリでよく測定されます。
MM(筋力測定)
MMは「Manual Muscle Test」の略。
筋力を手で評価する方法です。
筋力の強さを0~5の段階で判定し、リハビリ計画に役立てます。
TUG(立ち上がり・歩行テスト)
TUGは「Timed Up and Go Test」の略で、立ち上がって歩き、再び座るまでの時間を測るテストです。
歩行能力や転倒リスクの評価に使われます。
FIM(機能的自立度評価)
FIMは「Functional Independence Measure」の略で、日常生活の自立度を評価する指標です。
食事、移動、トイレ、コミュニケーションなど、18項目を7段階で評価します。
BI(バーセルインデックス)
BIは「Barthel Index」の略で、日常生活動作の自立度を測る指標のこと。
ADLに特化していて、介護の必要度を簡単に把握できます。
CDR(臨床認知症評価)
CDRは「Clinical Dementia Rating」の略で、認知症の重症度を評価する指標です。
0(正常)から3(重度)まで段階的に評価します。
FAST(認知症重症度分類)
FASTは「Functional Assessment Staging」の略。
認知症の進行段階を評価する方法です。
初期から末期まで、7段階で進行度を分類します。
介護用語の略語を効率よく覚えるコツ
略語を効率よく覚えるためのコツをお伝えします。
よく使う略語を優先して覚える
まずはADL、QOL、ケアマネなど、現場で特によく出てくる略語から覚えましょう。
頻出用語は自然と耳にする機会も多いので、覚えやすいです。
無理に全部覚えようとせず、重要なものを絞って取り組むのがポイント。
意味を場面と結びつけて理解する
略語だけを丸暗記しようとすると、なかなか頭に入りません。
実際の場面や具体的な例と結びつけて覚えると効果的。
例えば「ADL=トイレや入浴の介助場面でよく出る言葉」と関連付けると、記憶に残りやすくなります。
カードやアプリを使って繰り返し練習する
単語カードを作ったり、学習アプリを使ったりして、繰り返し練習するのもおすすめです。
短時間でも毎日触れることで、少しずつ覚えられます。
空き時間にコツコツ取り組むのが、無理なく続けるコツ!
現場で実際に使って覚える
一番の近道は、実際の現場で略語を使うこと。
使うことで自然と理解が深まりますし、必要な用語が何かも見えてきます。
わからない言葉が出てきたら、その都度調べてメモする習慣をつけましょう。
【まとめ】介護用語の略語一覧とよく使う言葉をマスターしよう


介護の略語は多いですが、全部を一気に覚えなくてお大丈夫!
基本的なものから少しずつ覚え、実践の中で自然に身につけていくのが一番です。
この記事の一覧を手元に置いて、必要なときに見返せば大丈夫。
焦らず、一歩ずつ覚えていきましょう。
介護の現場で使われる言葉を知っておくと、利用者さんや家族、スタッフとのコミュニケーションがぐっとスムーズに。
ぜひこの記事を活用して、介護の知識を深めてくださいね。
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