「介護士」と「介護福祉士」。
よく似た名前ですが、実は大きな違いがあります。
これから介護の仕事を始めたい人や、転職を考えている人にとって、違いを知っておくことはとても大切です。
本記事では、介護士と介護福祉士の違いについて、資格・仕事内容・給料・キャリアの視点からわかりやすく解説していきます。
後悔のないキャリア選びのために、基礎からしっかりと押さえていきましょう。
介護士と介護福祉士の一番大きな違いは「資格の有無」
押さえておきたいのは、介護士と介護福祉士の違いで最も重要なのが「資格の有無」だという点です。
介護士は無資格でも働ける
介護士は、特別な資格を持っていなくても働くことができます。
実際、多くの介護施設では、未経験・無資格でも働きながら学べる環境が整っています。
初めて介護の現場に入る人にとって、ハードルが低く、すぐに仕事を始められるのが大きな魅力。
「人の役に立ちたい」
「高齢者と接する仕事がしたい」
と思ったとき、すぐにチャレンジできるのが介護士です。
ただし無資格で働けるとはいえ、資格を持っているスタッフと比べて任される業務の範囲や給料に差が出ることもあります。
介護福祉士は国家資格が必要
一方介護福祉士は、介護分野で唯一の国家資格です。
つまり、一定の知識とスキルが国から認められた専門職である、ということ。
資格を取得するためには、養成校を卒業するか、実務経験を積んで国家試験に合格する必要があります。
介護福祉士になるには努力と時間が必要ですが、その分、社会的信用や待遇面でも高く評価されます。
また、介護福祉士の資格があれば、より専門的な業務にも関わることができるため、キャリアアップを目指す上では大きなステップとなるでしょう。
資格の取得方法や条件が異なる
介護士は無資格でも働けますが、介護福祉士になるには一定のルートをたどる必要があります。
主な取得ルートは以下の通り。
- 介護福祉士養成施設を卒業する
- 3年以上の実務経験を積み、実務者研修を修了後、国家試験を受験する
どのルートを選ぶにしても、資格取得には学習や現場経験が必要不可欠です。
自分に合った方法を選ぶことが大切ですね。
介護士と介護福祉士の仕事内容はどう違う?
介護士と介護福祉士は、基本的な仕事の内容は似ていますが、任される範囲や責任には違いがあります。
特に介護福祉士は、専門職としてリーダー的な役割やチーム全体のまとめ役を担うことも多いです。
基本的な介護業務は共通している
どちらの職種でも、利用者さんの生活を支える業務が中心です。
たとえば、食事介助、入浴介助、排せつ介助、移動のサポートなど。
日常会話やレクリエーションを通じて、心のケアを行うことも大切な仕事の一つです。
身体だけでなく、心にも寄り添うケアが求められる点は共通しています。
現場では「人との関わり」が非常に大きなウエイトを占めています。
介護福祉士はリーダー業務や後輩指導を行う
介護福祉士になると、単にケアを行うだけでなく、チームのリーダーとしての役割も期待されます。
たとえば、
- 現場での判断
- 他の職員へのアドバイス
- 緊急時の対応など
責任ある立場に立つことが増えます。
経験や知識を活かして、後輩を指導したり、現場の質を高める役割を担うのが介護福祉士です。
ケアプラン作成など専門的な業務を担当することもある
施設によっては、介護福祉士がケアマネジャーや看護師と連携して、ケアプラン作成に関わることもあります。
利用者さんの状態を観察し、適切なケアが行えるようにサポートする役割です。
単なる作業員ではなく、「利用者の生活全体を考える専門職」として動くのが介護福祉士の特徴。
このような専門性は、介護士では対応が難しい場面でも力を発揮します。
介護士と介護福祉士の給料の違いをリアルに比較
給料面では、介護福祉士のほうが高い傾向があります。
介護福祉士の方が平均年収が高い
厚生労働省のデータによると、介護士の平均年収は約330万円前後、介護福祉士は約370〜400万円ほどとされています。
あくまで全国平均ですが、資格を持つことで年収が数十万円アップするケースが多いことがわかります。
役職に就くことでさらに年収が上がる可能性も。
長く安定して働きたい人にとって、収入面は大きなポイントになりますね。
資格手当や処遇改善加算が収入に影響する
介護福祉士になると、「資格手当」や「処遇改善加算」が付くケースが多く、毎月の給与に反映されます。
たとえば、資格手当として月5,000円〜15,000円程度支給されることも。
加算により、年収にすると10万円以上の差がつくこともあります。
資格取得のメリットは大きいですね。
施設や地域によって給料に差がある
給料は、施設の種類や地域によっても大きく異なります。
たとえば、都市部の大規模施設では給料が高めに設定されていることが多いです。
地方や小規模施設では、やや低めの傾向があるかもしれません。
同じ職種でも、勤務先によって収入に違いが出る点は意識しておきたいポイント。
就職や転職の際は、給与条件だけでなく、福利厚生や勤務環境もしっかり確認しましょう。
介護士と介護福祉士の違いから考えるキャリアの選び方
介護士と介護福祉士、それぞれの特性を理解したうえで、自分に合ったキャリアを選びましょう。
資格取得でキャリアアップを目指せる
介護士から介護福祉士へのステップアップは、最もオーソドックスなキャリアパスです。
現場経験を積みながら勉強することで、無理なく資格取得が可能に。
資格があれば、昇給や役職への道も開け、やりがいを感じやすくなります。
将来を見据えて、計画的にステップアップしていくことが大切です。
将来の安定や待遇改善につながる
介護福祉士は、国家資格であることから、社会的な信頼度も高く、将来的な安定が見込めます。
また、資格を持っていることで、待遇改善の対象にもなりやすいという側面も。
「長く働ける仕事」を目指すなら、資格取得は避けて通れない選択と言えるでしょう。
制度や補助金を活用して、費用や時間の負担を減らす方法もあります。
専門知識やスキルを深められる
資格取得の過程で得られる知識やスキルは、現場でも大いに役立ちます。
介護福祉士になることで、認知症ケアや終末期ケアなど、より専門的な分野にも対応できるようにも。
自分自身の成長を感じられることも、仕事のやりがいにつながります。
学びを続けることで、常に新しい知識を取り入れられるのも魅力です!
転職や独立にも有利になる
介護福祉士の資格を持っていれば、転職時にも有利になります。
特に有料老人ホームや病院など、待遇の良い職場を選びやすくなるんですよね。
また、将来的に訪問介護事業所の立ち上げなど、独立を考えている人にも有利。
資格は自分の可能性を広げる「武器」になります。
【まとめ】介護士と介護福祉士の違いを正しく理解して後悔のない選択を
介護士と介護福祉士には、資格の有無・仕事内容・収入面など、さまざまな違いがあります。
どちらが良い・悪いというわけではなく、「自分がどう働きたいか」によって選ぶべき道が変わります。
まずは自分の理想の働き方を考え、必要であれば資格取得を目指すことで、キャリアの幅を広げることができるでしょう。
この記事が、あなたの将来設計のヒントになれば幸いです。
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